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第18回アジア・アフリカ都市計画究発表会 開催

 2022年度のアジア・アフリカ都市計画研究発表会(The 17th Conference of Asian and African City Planning)が、2022年12月11日(日)に九州大学伊都キャンパスでの対面およびZOOMを用いたオンラインとのハイブリッドにより開催されました。


 本会は日本都市計画学会の分科会であるアジア・アフリカ都市計画研究会が主催するものであり、2003年にアジア都市計画研究発表会(The Conference of Asian City Planning)として開始してから今回で18回目を迎えました。アジア・アフリカ地域をはじめとする途上国ならびに関連する日本の都市計画に関する研究成果報告とディスカッションを通じた研究・情報交流を目的とするものであり、論文、発表はすべて英語で行われました。日本の大学院所属の若手研究者の発表も多く、オンライン・対面で英語にて発表をし、かつ研究者同士の縦横のネットワークを築く機会にもなっています。近年のアフリカ地域を対象とする研究発表の増加をうけ、2017年にアジア・アフリカ都市計画研究発表会に改名されました。また日本人発表者や実務家の発表の増加がみられ、今後もより多様で活発な研究交流が期待されています。

 本年度は研究発表会の前日に、プレイベントとして、委員会メンバーを主な参加者として、今年の開催校である九州大学が位置する糸島半島へのフィールドワークが行われました。研究発表会当日では、アジア(インドネシア、中国、シンガポール、カンボジア、日本、タイ、台湾、韓国、ラオス、フィリピン、マレーシア、インド)を中心に、アフリカ(マダガスカル、ガーナ、ジンバブエ)に加えて、アメリカ、イタリアなどその他の国々をフィールドとした計25本の投稿論文および共著者を含め計54名の研究者また実務家による研究発表がありました。


 また、本年度では研究発表前に新たなセッションを設け、東洋大学の柏崎梢先生を司会として、まず主催校九州大学の蕭耕偉郎先生から発表時間と会場に関するご案内がありました。城所哲夫研究分科会長より開会のご挨拶とともに、ウェルカムスピーチとして、“The Planetary East and South: Diverse Societies under Planetary Challenges”をテーマに、グローバルレベルの都市間格差などの現状について述べられました。次に、基調講演として、ゲストスピーカーの国立台湾大学の張聖琳教授(Prof. Shenglin Chang, National Taiwan University, Taiwan)より “Rural Social Design and Bi-gration Young Talents”をテーマとして、台湾の農村地域における茶産業を中心とした若年層の人材育成とそれによる農村まちづくりの展開についての話題提供がなされました。その後、東洋大学名誉教授の安相景先生、明星大学の西浦定継先生、九州大学の黒瀬武史先生もお迎えして、5名の登壇者によるパネルディスカッションが行われました。



 午後からの研究発表では、大都市圏に着目したものとして、スマートシティなどのような最先端な計画ツールや、先進的な計画制度の導入や市街地の形成経緯に関する事例研究、都市化に合わせた公共交通システム再編また公共空間整備の実態、道路歩行空間における活用状況、都市化と貧困地域の実情やそのための地域参加によるインフラ整備や環境改善など、多様な内容が示されました。一方、地方や農村部を対象とした研究発表では、エコツーリズム、リノベーションやアート活動などを介した地域再生、伝統的な集落構造形成史を明らかとしたものが報告されるなど、発表ジャンルは多岐に渡りました。また世界各地で発生している自然災害への対応事例として、シェルターの計画や、海外の貧困地域への水害適応策に着目した研究も見られました。今年度の参加者は委員、発表者そして、一般参加者の合計70名程度でした。


 次回2023年度の第19回は、会場は未定(予定・豊橋技術科学大学)ですが、今年度同様、対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド方式での開催が想定されます。発表後のクロージングアドレスでは、豊橋技術科学大学の小野悠先生より、今年度の発表成果を振り返り、今後もより一層海外での調査および分析結果について対面形式で発表し、議論を深めていくことへの期待について締めくくりました。


 研究会の動画はこちら


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